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激甚水害、都市政策呑む 被害額30年で3.5倍(24/6/9日経朝)

毎年水害は懸念されるが、実は被害面積は大きな変化がない、問題は面積当たりの被害額が急増している点で、 約30年間で3.5倍に膨らんだ。地域の実情に応じた土地活用を可能とした2000年代の都市政策が、結果的に高リスクの低地に人や企業を集積させる結果を生んだ。地域活性化との両立は行政の課題。
国勢調査の人口データと100年に1度程度の雨が降った際の浸水想定区域のデータを重ねたところ、2020年には約2459万人と1995年比で約76万人(3%強)増えた。15年の法改正で「1000年に1回」級の降雨が被害想定に加わり、水害に呑まれるリスクがある地域の人口はさらに多いとみられる。
地球温暖化などで雨雲が発生しやすくなり「猛烈な雨(1時間80ミリ以上)」の回数は23年までの10年間で約半世紀前に比べ1.7倍に増えた。21年までの10年間で水害や土砂災害がないのは全国1741市区町村のわずか2%。
企業活動の損失も深刻化している。内閣府の試算では、平野部の製造業で浸水が1階軒下を超える程度までの時の事業中断期間と売上被害額は、膝下までの時の10倍前後に拡大した。一度増えた人口や企業の流れを逆回転させるのは容易ではない。ハザードマップの整備など防災体制の充実が求められる。

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